Lumiscent Laboratory

Section 1 | First IFRA

IFRAとは何か?

香りを安全に届けるための、
国際的な設計基準。

IFRAは、International Fragrance Association の略称です。 香料業界を代表する国際団体として、香料原料を安全に使用するための基準を整えています。 IFRAは、香りを禁止するための組織ではありません。 香りを美しく、安心して使えるかたちで届けるために、使用量や用途を確認するための共通言語です。

International fragrance community Quality / Safety / Sustainability 業界の自主基準

IFRA公式では、国際的な香料コミュニティを代表し、quality・safety・sustainability を軸に活動すると説明しています。

Geneva, Switzerland IFRA Headquarters
IFRA Headquarters
Geneva, Switzerland

香りの安全基準を扱う国際団体として、世界をまたぐ設計の入口をジュネーブに置いています。

公開情報は 2026年4月25日時点の IFRA公式・日本香料工業会公開ページで確認しています。

本部は、スイス・ジュネーブ。

IFRAの本部は、スイス・ジュネーブにあります。 公式サイトでは IFRA Headquarters として、Cours de Rive 11, 1204 Geneva, Switzerland が案内されています。 ジュネーブは多くの国際機関が集まる都市でもあり、香料業界における国際的な基準づくりの立ち位置を直感的に伝える住所です。

Headquarters

IFRA 本部情報カード

まず強調したいのは、本部が Geneva, Switzerland に置かれていることです。所在地そのものが、IFRAの国際性を静かに示しています。

IFRA
本部:Geneva, Switzerland
住所:Cours de Rive 11, 1204 Geneva, Switzerland
役割:香料業界の国際的な基準づくり
Geneva – Headquarters Swiss law に基づく国際的非営利団体
住所や拠点情報は変更される可能性があります。最新情報は、必ず IFRA公式サイトで確認してください。
Operations

Brussels, Belgium

IFRA Regions ページでは、Operations として Brussels, Belgium も掲載されています。主軸はあくまで Geneva の本部ですが、実務運営の拠点もあわせて把握すると立体的に見えます。

IFRA Offices Geneva Brussels Headquarters Operations

Source: IFRA Regions, IFRA Bylaws

IFRAは法律ではなく、業界の自主基準。

IFRA Standards は、各国の法律そのものではありません。 しかし香料業界では、香料原料を安全に使うための重要な確認基準として扱われています。 大切なのは、「法律だから守る」と単純化せず、法律と IFRA Standards を別レイヤーで理解することです。

Legal Rule

法律

国や地域が定めるルールです。販売、表示、届出、成分規制など、地域ごとの法令要件に関わります。

  • 制定主体は国や地域
  • 法令としての適合確認が必要
  • 販売先ごとに確認対象が変わる
Industry Standard

IFRA Standards

香料素材を安全に使うための国際的な自主基準です。香料業界が安全使用のために用いる実務上重要な確認基準として機能します。

  • 制定主体は香料業界の国際枠組み
  • 製品カテゴリごとに確認する
  • 安全使用のための実務判断に直結する
製品づくりでは、両方の確認が必要です。
法律は国や地域のルール。IFRA Standards は香料業界が安全使用のために用いる自主基準。混同せず、並行して確認します。
IFRAの組織自体は、bylaws で Swiss law に基づく国際的非営利団体とされています。ただし、このページは法律相談ではなく、実務理解の入口として整理したものです。

Source: 日本香料工業会 / 香料の安全性, IFRA Bylaws

IFRAが見ているのは、香りの使い方です。

IFRA Standards(香料素材を安全に使うための国際的な自主基準)は、香料原料を安全に使用するためのリスク管理システムです。 特定の香料素材について、安全上の懸念がある場合に、使用禁止、使用制限、規格設定などを行います。 重要なのは、香りそのものを否定しているのではなく、どの製品に、どのくらい、どんな条件で使うかを見ていることです。

RIFM 香料素材の安全性評価を行う独立研究機関
IFRA 評価をもとにリスク管理へ落とし込む
Standards 製品カテゴリごとに具体の確認基準を示す

日本香料工業会では、RIFM(香料素材の安全性評価を行う独立研究機関)によるリスク評価と、 IFRAによるリスク管理を組み合わせた枠組みとして IFRA Standards を説明しています。

Prohibition

使用禁止

使用できない素材を示します。安全上の懸念が高い場合に、使わないという判断が明確に示されます。

Restriction

使用制限

製品カテゴリごとの上限を示します。肌に残るのか、洗い流すのか、空間で使うのかで考え方が変わります。

Specification

規格設定

品質や純度などの条件を示します。どの香りを使うかだけでなく、どの状態の素材を使うかも確認対象です。

Source: 日本香料工業会 / 香料の安全性

天然だから、確認不要ではありません。

アロマ上級者ほど大切にしたいのは、「天然=無条件に安全」ではないという視点です。 精油はひとつの成分ではなく、複数の芳香成分が集まった天然由来の複合的な素材です。 だからこそ、天然由来素材にも確認が必要です。成分、濃度、使う部位、製品カテゴリの4点を分けて見ます。

たとえば、リモネン、リナロール、シトラール、フロクマリン類のように、素材由来で確認項目が変わる成分群があります。 素材によっては、皮膚刺激、感作性、光毒性などの確認が必要になる場合があります。 IFRAの考え方は、合成香料だけでなく、天然由来の香料素材を扱う場合にも関係します。

Component 01 Limonene
Component 02 Linalool
Component 03 Citral
Component 04 Furocoumarins
「天然だから安心」と単純化せず、成分ごとの確認、使用部位、濃度、製品カテゴリで判断するのが実務的です。
Limonene Linalool Citral Furocoumarins COMPONENT 01 COMPONENT 02 COMPONENT 03 COMPONENT 04 成分ごとの確認 使用部位・濃度・製品カテゴリで判断

次に見るのは、資料です。

IFRAを理解しただけでは、実際の製品判断はできません。 次に必要になるのが、SDS(化学品の危険有害性や成分情報を確認する資料)と、 IFRA証明書(製品カテゴリごとの使用上限を確認する資料)です。 IFRAは考え方、SDSとIFRA証明書は実際に確認する資料。その順番が大切です。

1

IFRAを理解する

まず、香りを安全に設計するための基準だと理解します。

2

SDSを見る

危険有害性と成分情報を確認し、何を読むべきかを整理します。

3

IFRA証明書を見る

製品カテゴリごとの使用上限と適合範囲を確認します。

4

使用量判断へ進む

用途とカテゴリに合わせて、はじめて具体的な設計判断へ進みます。

SDS

危険有害性、成分情報、アレルゲン情報など、原料の入口を確認する資料です。

  • 危険有害性の把握
  • 成分名と含有率の確認
  • 次に見るべき情報の絞り込み

IFRA証明書

製品カテゴリごとの使用上限を確認する資料です。どこまで使えるかを読む段階で必要になります。

  • カテゴリ別の上限値確認
  • 適合対象の範囲確認
  • 設計判断へ進む前提の整理
なお、IFRA Standardsへの適合確認は重要ですが、最終的に製品を安全に市場へ出す責任は、製品を扱う事業者側にあります。

SDSのどこを見るかを確認する

first-ifra で考え方を掴んだら、次は実際の資料の入口を確認します。SDSページでは、どこに注目して読めば IFRA確認へつながるかを整理しています。

香りを届ける人ほど、基準を味方にする。

IFRAは、香りの自由を奪うものではありません。 香りを安全に、美しく、長く届けるための確認基準です。 感性だけで香りを語る時代から、感性と安全性の両方で香りを設計する時代へ。 アロマ上級者にとって IFRA を知ることは、香りの表現を狭めることではなく、香りをより確かに届ける土台を持つことです。

IFRAとは、香りを制限するものではなく、
香りを安心して届けるための共通言語です。
Point 1

IFRAは国際的な団体

香料業界を代表する国際団体として、国境をまたぐ設計の共通土台を担っています。

Point 2

IFRA Standards は自主基準

法律そのものではなく、香料素材を安全に使うための業界の自主基準として実務で重要です。

Point 3

天然由来素材にも確認が必要

精油や天然由来素材でも、成分・濃度・用途・製品カテゴリに応じた確認が欠かせません。